自然の方へ 2005.9.13~2005.11.24
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人の住む環境が都市化し、自然環境が汚染され、身体だけでなく心まで蝕まれる現在です。そんな背景をもった私達の生活を、なにかと自然の方へ向けていこうとの流れがあります。
行政レベルで、グループレベルで、個人レベルで、自然の方へ向いていく取り組みがおこなわれています。ここでは、いくつかの事例をもあげながら、自然の方へ向かう現状を検証していきたいと考えています。

書店へ赴けば、自然の方へ向いた書籍や雑誌が数多くあります。
生活の根拠地を、直接、自然の中に求めていくノウハウを伝授してくれる書籍類があります。
山野を歩く楽しみや、山野草の採取と料理法。
野菜つくりの現場を紹介し、自家菜園つくりのノウハウを伝授してくれる。
自然食品のノウハウ、自然料理のレシピ、自然派生活の心得。

このように見ると、自然の方へ、というのがある種ブームになっている。
このブームに便乗し、あるいはブームを創りだすことで、経済活動を創りだす。
庶民は消費者、いつも消費を無意識に強いられる立場です。
ここでは、自然の方へというポイントを、生産者、生産の方へ、ということに置いていきます。

さて、そこから見えてくる現状と、あるべき未来を、考えていくのが、このシリーズの目的です。写真と文章を使って、自然の方へ向かうとは、どういうことかと問うていきたいと思います。
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都市と農村という、区分があります。生産者と消費者という、区分があります。この図式の中で、現代の私達の生活を、どのようにつくっていくのかと云うことを考えてきました。
私達の食料となる生産物を、また生活道具を、生産者と消費者をつなぐ流通のネットワークも沢山つくられてきました。俗に言う、生産者が良品を作り、消費者がその良品を手に入れるためのネットワークです。
その図式のなかで、生産と消費のネットワークが組まれてきて、かなりの成果をあげてきたと思っています。

ところで、ここで「自然の方へ」というとき、上記の関係ネットワークを、もう一歩進めていくことを求めるべきだと考えます。その求めるものは、生産と消費が一体となった生活スタイルの創出・生成ということです。なによりそこに重視しなければならないのが、個人の気持ちのあり方ということだと考えています。
消費マーケットである都市に居住している、生産現場である農村に居住している、この区分の中で考えるのではなくて、別の視点から生活のあり方を捉えてみようということなのです。

都市に住んでるから都会人、田舎に住んでるから田舎人、なんて区分しても、いまや生活様式は、根本のところ均一化されてきています。生活空間の表面・外観は違っても、生活道具なんて、均一化してます。
テレビや冷蔵庫、洗濯機や掃除機、衣服など、都会人も田舎人も同じようになっているのが現状です。
ビルや家屋の密集地に居住するか、自然環境のなか野山が目の前にある土地に居住するか。この自然環境に近いところに住むことが、ここでいう自然の方へ、の話ではないのです。

関係図式を、都市か農村かといった二者択一ではなくて、基本には心・気持ちのあり方を重視して、そこからの発想を試みていきたいと思うのです。
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自然の方へ向かう定義のひとつに、貨幣経済からいかにして遠ざかるか、という道筋を考えています。

そういうことからゆうと、自給自足という究極に向かうことが、自然の方へ向いていくことだといえると思います。個人的に、自給自足を考えると、自家菜園が必要になります。この菜園で、自然のままに野菜をつくる。そうすることで、少しは貨幣経済から脱皮できますね。

物々交換をする。自分の菜園で採れた野菜を人にあげて、その人の菜園で採れた野菜をもらう。こんな関係図式です。でも、個人として菜園を持つことってなかなか大変なことです。なにより土地が必要になりますし、管理するのも労力がいります。今の時代、だれでも出来るわけではないですね。そこで、共同運営の菜園があれば良い、との発想になります。

自然の方へというとき、自分の立ち位置を、消費者から生産者のほうへ向けていく必要があります。ここでいう消費者は、貨幣でもって商品を買う立場の人です。野菜などの食料を商品として市中に出回ったのを、貨幣を使って買う人です。この関係を少なくしていく方向です。生産と消費の関係を、自らの環境に創りだす必要があるわけです。

野山や里山へ出かけていって、他人の所有地で山菜類や木の実を採取して、それで自然の空気を満喫できるから、自然の方へ向いてる!なんてことじゃ~ないんです。そこで、生産と消費を一体のものにするという考えが出てくるのです。自然の方へ向かう気持ちを掻き立てるメディアの現状があります。でも、そこに自らが生産に携わるということを始めないと、自然の方へ向いていくことにはならないのです。
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滋賀県に湖国まるごと・エコミュージアム構想があります。その具体化、先端プロジェクトに<マルエコ塾> 構想があり、その塾長を担うことになりました。
この12月1日に開塾する運びとなったのですが、このまるエコ塾のコンセプトに、ここで云う<自然の方へ>という考えを置きたいと考えています。

自然の方へ・・・との指向は、時代の流れに逆行する側面と順応する側面があります。地球温暖化防止に代表されるエコロジーの流れから云うと、おおむね順応します。一方で、経済の世界潮流であるグローバル化という流れから云うと、逆行します。とはいえ、時代は大きくうねりながら国家施策として、また地方行政の施策として浮上してきているから、かってのような反対運動ではありません。

国家施策、あるいは地方行政施策としてのエコロジー化に対して、あえて云うなら、経済構造から脱却させる方向での<自然の方へ>。ボクがここで思考する<自然の方へ>とは、そのことを念頭に置いた方向だと思うのです。

まるエコ塾の内容生成に当たって、大きな枠組みで、このことを明確にしておかなければならないと思うわけです。より原理的なものを求めて、まるエコ塾は開始される。まるエコ塾は、単なる技術修得場としての塾ではなく、新しい理想郷を求めるムーブメントとして、捉えなければならないのです。※まるエコ塾は、2005年12月1日に開塾します。