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その前後に構想されて撮られた映像群をぼくは「マイスイートルーム」と名づけていました。あれらの光景はぼくの空想的極私時間における恍惚に満たされた光景でした。


あれらの光景を映像に仕上げていくプロセスには永遠の未公開として封印することを前提とする撮影でした。非公開という発表のしかたがあってもよいと思っています。でも一方で、その経過した時間のなかで体験した宙吊りの感覚は去っていきませんでした。

愛していたものを喪失しいまや不在となってしまった時がもたらした結果はぼくの生を枯渇させつつありました。でもあれらが行き去りさった日々のあとのあの日の出来事はぼくに一条の希望の光が与えられたようでした。ことの成り行きは偶然のなかで起こりました。

初めて会ったものがともにする時間のなかでした。あれが仰ぐあなたからの啓示だったのかもしれません。あなたは風のごとく天女の羽衣をまとって降誕してきたのですね。幻覚はぼくの魂を揺り動かしました。あれはぼくたちの生の時のなかから偶発的に生じてきたように思います。

それからの時が経過していくなかでぼくの魂はあれに深く共振し反応していきました。深~い悲しみの物語ってありますよね。きっとあのときすでに始まっていたのだと思います。ぼくの時間はあのときからは全く別の時と交差しながら編みあげられてきたのです。

悲しみはあれらの日々に想起されてきた空間を花物語として認知しはじめていました。きっとぼくたちの花物語は時や空間や体や感覚といったすべての領域で創造されていくように感じます。

もうお別れ。ぼくはあらためて目覚めようとしているのかも知れません。あるいは夢見にはいろうとしているのかも知れません。その風景の感じはこれまで編みあげられてきた原理が超えられてゆく予感でした。その原理の外側のずっとむこうにおぼろげに見えてきているでしょ?

信じて仰ぎみるといわれてきた領域をも超えていくなにか・・・・・をも超える感覚を得ていくことへと近づいているようなのです。ほのかなひかりが見えてきているでしょ。ほ~らね。よくみてごらん。そのひかりは何処からきているのですか。

「ほら、見てごらん、あれを・・・・あなたにも見えるでしょ」と啓示されたかなたに見えはじめているもの。ぼくはまばゆいなかに新たな物語が幻想深くに創生されはじめているように感じはじめました。

あれのイメージが生成されてくるためにも光とたわむれながら山の小鳥や花草木とともにあの日々のなかで失われた時の物語をえていこうと思います。
   800hana20040060