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<掲載写真は、収穫祭、知恩寺境内 2004.11.21>
※2001年8月20日付の文書を掲載します


フリースクールの基本概念
ー新しい人間社会の構造を考えるー


三つの部門
◎総合文化研究会
◎フリースクール部門
◎工房部門ー生産者共同組合へー

◎総合文化研究会
 文化を見る視点として求められるのは、総合的な観点をもって、いかにして現状の発想から自由に構想できるかが課題である。
 その意味で総合文化研究会における研究の分野においては、誠二・経済の論点から思想・歴史・文学及び芸術の論点まで、総合的な視点で論じられる人が求められている。
 そこには人間存在の根源に迫るような、感覚的及び論理的な総合指針といったものが立ち現れてくる可能性がある。
 総合文化研究会では、そのような観点から総合カリキュラムが提供できるような研究を行う。

◎フリースクール部門
 フリースクール部門は、総合文化研究会の総合指針を実践していくメンバー育成の教育現場である。ここでは概念上3分野におおまかな体系分けを行っている。ここでは各々の分野において、実践活動を行うための理論及びノウハウを学ぶことで、パラダイム変換を試みていく。
 第1群は論述を主体としてアクティブに外枠を構築していくためのカリキュラムである。
 第2群は技術を主体としてアクティブに生産の現場を構築していくためのカリキュラムである。
 第3群は研究を主体としてアクティブに人間存在の根源を探るためのカリキュラムである。
 フリースクール学生は第1群から第3群までを総合的に学びながら、各々の自立した考えにより自分の生きるべき方法を選ぶ。個人の生涯においては、概念的に分割されたジャンルを相互に横断しながら、生活の体系をみずから構築していく。個人は各々に生産の現場を体験する。

◎工房部門ー生活者共同組合へー
 個人がフリースクールの課程を経過していくなかで工房を形成する。工房は生産の在り方と流通の在り方を、既存のシステムから新しい関係へ変更していくものである。
 工房では生産を行う。
 また総合文化研究会において及びフリースクール部門において研究を重ねる結果、現在の世界的潮流である世界均一化の波(グローバル化)を推進するメンバーとしても担っていく。
 工房は、そのグローバル化のなかで研究開発される先端科学技術の成果を享受しながら応用展開を行うものである。
 第一段階として工房のリーダーはその道の専門家によって主宰される。フリースクール学生は工房に所属することにより、生産の現場を体験していく。プロフェッショナルに至る過程である。おおむね5年程度の時間が必要であると想定している。
 第二段階としてフリースクール学生の卒業生ネットワークから、工房の主宰者が出現していく過程である。現在に存在する様々な機関とネットワークを組みながら、社会的存在として形成されてくる。フリースクールが認知され、社会のなかでの渦を起こしていく。この渦はこれまでとは違った人間存在を形成しているというカリスマ的認知を必要とする。
 第三段階として生活者協同組合が組成される。この形態は現時点での発想であり、フリースクールの活動が活性化されていく過程で、その構成員により修正が加えられていくものである。この第三段階までの過程おおむね20年から30年の波と考える。