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<掲載写真は、2006.9.2 京都農塾の収穫風景>
※2001年8月5日付の文書を掲載します

1、なぜ、いまフリースクールが必要なのですか

 現在、日本の社会現象件でいうと、政治構造の行き詰まり、経済的活動の行き詰まりといったように見える変動が起こっています。また世界に目を向けると、民族、地域、国家といった領域で、新たな枠組みが生まれる兆しが見えてきます。そこから派生して、あるいはその関係の真っただ中で、私たちの周辺に起こっている雇用形態問題と職業観の変化、産業構造変化と就業観の変化、銀行資本の統廃合などの事態による社会不安と生活不安といった社会変動が認知できます。

 また生活者のレベルでは、学校の教室としての教育の崩壊、さまざまな心の病による個人の崩壊、グローバル化(価値の世界単一化)する経済とローカル化(価値の地域分散化)が統合されないまま、流動的に交差しています。
 こういった現象面を認知したうえで、今後の統合されていく方向を見極め、その良否を模索することが必要ではないかと考えるのです。

 フリースクールというと学校のイメージが強いですが、上記のような社会現象が認知され、今後の人間の在り方、生活スタイル、関係の捉え方、などを考えること、それを共有する場所の創造が、ここでいうスクール機能です。そしてその場所で様々に論議されることと、そこに集まった人たちにより、実際に生産の関係を創っていくことを近未来の目標としていきます。

 現実には、いまある社会から変化していく近未来に対して、5年、10年の計画のなかで、各段階の目標を見定めながら、それぞれのステップにおいて検証と方向の修正を行う機能が必要です。それは21世紀全体を示唆すると同時に、その検証を行っていく機能をもった人の集まりです。

 これらのことを実現していくためには、具体的な現状の把握を行い、同時にあるべく姿の世界像をイメージする必要があると思います。そういった内容のものを考え実行していける人材を育成するための場所として創られる場がフリースクールです。