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季刊むくむく通信第10号
2006年夏号
編集発行:むくむく通信社 発行人:中川繁夫
2006年7月20日発行 2008.3.10修正

新しい生活スタイルの情報を集めて紹介・批評などをおこなっていきます
生活情報・アート情報・写真情報・文学情報・農業情報・その他諸々

目次
むくむくの話題
記事1 京都農塾たより
記事2 まるエコ塾の話題
記事3 通信と通学で学べる写真学校の話
記事4 写真をめぐる評論
記事5 食と農園のネットワーク

  
お届けします、季刊むくむく通信第10号です。 2006.7.1

むくむくの話題

季刊むくむく通信第10号です。むくむく通信社の発足から2年が過ぎました。

むくむく通信社は、WEBにて情報を発信していく発足したもので、
むくむく新聞 を発行しています。この季刊むくむく通信は年4回、その間に起こったイベントや講座をまとめいます。その一環として、WEB出版物の刊行を想定していましたが、 むくむく叢書 を編集・発刊しはじめました。

むくむく通信社は、 
カフェ&プレス を主宰する綜合文化研究所の コンセプト を受けて創立されたものです。2年が経過するなかで、概容がまとまってきた感があります。日々の情報発信<むくむく新聞>、季刊情報評論誌<季刊むくむく通信>、<むくむくギャラリー> の運営、それにWEB刊行物<むくむく叢書>です。

インターネットを介在する情報発信が、従前の出版や放送やギャラリー機能を統合するメディアとして、クローズアップされています。なによりも個人と個人の双方向メディアとして、機能していくものです。そういった動向をふまえ、実験的に立ち上げているのが<むくむく通信社>です。主宰者の実感としては、今後どのようにして、いっそうパブリックなものとして機能していけるかが課題です。従前のメディアに価値を見る人が多いなかですが、新しいメディア創出に意義を見出す人が増えることを主眼において、次のステップは、共同していけるメンバーの育成だと思うところです。
   nakagawa shigeo 2006.5.24

記事1 京都農塾たより

京都農塾第四期/2006年春から夏へ

京都農塾は今年で開塾4年目になります。今年もまた、野菜栽培とお米の栽培をやっていきます。
丹波を中心に専業農家集まる「京都有機の会」とNPO京都自給ネットワークが主宰していた京都農塾でしたが、今年から主宰を「京都農塾」が行うことになりました。



主宰者が変わったとはいっても、年間スケジュールの中味が変わるわけではなく、有機栽培と無農薬によって野菜を作っていきます。
5月には、夏野菜の植え付け作業が行われています。トマト、茄子、とうがらしなどは苗植で、島おくらは種の直撒き、里芋、山の芋は、種芋植え付けです。
6月に入って、マルチネットを設置し、モロッコインゲン、滝野川ごぼう、きゅうり、ゴーヤなどを植え付けていきました。
田んぼ作業は、昨年まで手植えで行ってきましたが、今年は機械植えとなりました。機械が入らない部分だけ、手植えによりました。

一方で、オーナー制田んぼを、4名でやりだして2年目になります。こちらは減農薬栽培で、機械に頼ります。一般農家が米つくりをする方法で、お米を作っています。

作業日は毎月最初の土曜日を共同作業日とし、毎週土日を個人作業日となりました。これまで二週に一回の共同作業日を設けていましたが、収穫時期、特に夏場の時期には、毎日野菜が生長し、収穫時期のタイミングが合わないということが起こっていました。毎週を作業日にすることで、適宜収穫できることになります。

共同作業の共同均一分配という原則がなくなり、労働量に見合う分配方法に変化したのです。三年間の作業のなかで、個人の欲望が、見え隠れしてきたなぁ、と感じているところです。共同生産、均一分配という理想が、個人の欲望に負けてしまう現状に、運営の難しさを感じます。
 
記事2 まるエコ塾の話題

 
第二期<まるエコ塾>の開塾について

昨年12月から今年3月にかけて、滋賀県大津市にて<まるエコ塾>が開塾しましたが、第二期まるエコ塾は、滋賀県の安土町にて、9月から開塾することが決まっています。


安土は織田信長が安土城を造営した土地です。いま、地域活性化に取り組みだされる<あんどプロジェクト>との関連で、まるエコ塾の開塾場所を、安土に決めたのです。
地域ジャーナリスト養成をもくろむ塾が、他の塾に先行させて開塾させています。この<地域ジャーナリスト>の概念は、主宰者に名を連ねる<フォトハウス京都>の提案でもあります。
この考え方は、その地に生活を営む個人のありかたを提案しているなかで、自らを発信していく個人として、地域と自分のことを掘り下げて記録していく人を育成することにあります。
まるエコ塾は、その必要を感じて、具体的な塾の中味としたわけです。


記事3 通信と通学で学べる写真学校の話

 
あい写真学校&写真ワークショップ京都です


  

あい写真学校 が開校3年目、写真ワークショップ京都 が開校して2年目となりました。
今年から、運営母体を「京都写真学校」と改称し、その基に通信制「あい写真学校」と通学制「写真ワークショップ京都」を配置しました。写真ワークショップ京都の今年の入学者は6名です。もとより少人数制の個別指導を標榜した学校なので、目的にかなった内容での開校となったわけです。

   

写真ワークショップ京都では、写真教育の場として、いくつかの新しい手法を導入しています。その一つが、受講者一人ひとりの目的に合わせた個別指導という考え方です。
写真に興味を持って、受講される人の生活的バックグラウンドを加味し、受講される人の希望に合わせてカリキュラムをつくっていく、いわば人材養成プロジェクトです。

今年の受講生のなかに、プロ写真家として仕事をしたいと希望する人がいます。とはいえ気持ちは昂じていても、業界の知識がない。どうしたら写真でメシが食っていけるのか。など知らないことばかりです。

アドバイザーは4人です。アドバイザーに、たとえばコマーシャルスタジオを経営する人はいません。エディトリアルカメラマンはいません。でも受講者に、概略を教授することはできます。受講者が一定の知識と見識を持つことを前提に、全体を把握するように教えることはできます。職業写真家の個別ジャンルへいくための入り口を作ってあげることはできます。

カリキュラムは、このように個別のニーズに合わせた指導をおこなうことで、あとは受講者のステップアップを見守るシステムです。

 
環境にやさしい暗室実習 フィルム現像法 2006.7.4実施


   

京都写真学校/写真ワークショップ京都の7月テクニカルレクチャーは、暗室実習です。近年の地球環境保護機運の高まりによって、従前の処理現像薬品が環境汚染してしまうと指摘されています。
テクニカルアドバイオザー里博文氏考案の環境にやさしい現像法(HB-N2方式)に基づく実習を世界初公開として実施されました。
☆HB-N2 標準フィルム現像法


記事4 写真をめぐる評論

写真がおかれた現在は・・・写真家の対処法(1)
 
-デジタル時代のオリジナルプリント-

デジタル写真が主流となった現在、写真をめぐる環境が大きく変わってきています。
ここでは、写真のオリジナルプリント制作を軸にして、ふたつの領域を考えてみたいと思います。そのひとつは、発表のしかたです。もうひとつは、写真の作り方です。発表のしかたと作り方は、相互に関連する内容のものだと考えていますが、便宜的にここでは二つの領域にわけてみて、発表のしかたに的を絞って、考えてみたいと思います。


  
 
オリジナルプリント/ギャラリー ・DOT ファインアートコレクション

デジタル写真が開発されなかったころは、フィルムによる制作がほぼ全てで、フィルムをベースにした制作に拘束される格好で、印画紙に写し取って、公表・発表するということが必然でした。1980年ごろから、オリジナルプリントという概念が普及しだして、印画紙等に焼き付けられた写真を、作品として売買することが始まりました。また、売買を直接の目的としないとしても、ギャラリー等で写真を展示するという方法で、発表されてきました。

フィルム時代の写真のあり方として、写真印刷原稿としての商業写真、写真館での記念写真、それに作品としてのオリジナルプリント写真。大きく分けて、この三つのあり方があります。この三つのあり方の内、印刷原稿としての写真は、デジタル化に移行することによって、印刷装置ともども、デジタル対応になり、ほぼ完全なまでにデシタル化に移行しています。また、写真館での記念写真は、写真館じたいが商売なりがたくなって、一部、結婚記念写真等に残っているものの、おおむねデジタル化に移行しています。

このような時代の流れに沿って、写真作家や写真表現を試みる人びとの現状はどうかといえば、フィルムに固守する人、デジタルへ移行する人、フィルムとデジタルの両方を使う人、この三者になります。現在は、フィルムがデジタルデータ化され、デジタルデータがプリントされる相互互換の時代です。そうして、フィルム用カメラが生産中止になり、印画紙が製造中止になろうとしている時期です。いわば過渡期の時期だといえます。

作品発表の場は、現在、二つの領域があります。一つは、ギャラリー等の壁面にプリント写真を展示する方法です。もう一つは、インターネットに代表されるデジタルネットワーク空間にスペースを持って、写真を展示する方法です。デジタルネットワーク空間のスペースに、カメラメーカー等が提供するギャラリー空間があり、ポータルサイト運営者が提供するギャラリー空間があり・・・等々、膨大な写真展示場が整備されつつあります。

映画館の時代からお茶の間テレビの時代へ移行した映像空間を例にとれば、写真におけるギャラリー等空間は映画館に類せられ、デジタルギャラリー空間は、お茶の間テレビに類せられます。写真をめぐる環境が、大きく変化している現状に、
写真制作を目的とする作家たちは、どのように対処したらいいのか。これが、この場でのテーマです。そこで筆者の見解を述べるとすれば、オリジナルプリントは有効である、との立場をとります。数十年後の生活空間がどのように変化するかは未定です。オリジナルプリントは、コレクションされ、生活空間に置かれる具体的なプリントとして、現在的な生活空間としては、有効であると考えているのです。

-写真作品制作者のあり方論-

オリジナルプリント制作を行為の中心とされる制作者においては、フィルム写真の領域を極める必要があると考えています。カメラ操作については、最新の35ミリフィルムカメラに留まらず、大型カメラまでを扱い、銀塩、非銀塩を扱い、その中から表現目的にあった器材と材料を組み合わせて使うというふうにしなければいけないと、提案します。

●モノクロフィルムによるオリジナルプリント制作は、完全手作り制作が望ましい。
●カラーフィルムによるオリジナルプリントは、カラー処理行程じたいが工業生産過程なので。撮影以外は、専門ラボ等に委ねることになる。手作りできれば、なお良い。
●デジタルカメラによるデジタルデータの写真は、オリジナルプリントとしても有効です。ただし、現在のデシタルデータを紙に転写して、従前のオリジナルプリント概念に組み入れるには、まだ機器の工業技術的完成度が未熟(注:フィルムと比較して)だっと認定せざるを得ない現状なので、むしろデジタルネットワーク展開を中心に置くことが望ましい。

上記のように三つの手法を使って、プリントをつくることができますが、将来的見解のなかで、オリジナルプリントは、手作り優先で制作する方向へと行き着くのではないかと、予測しています。

 2006.7.16 nakagawa shigeo

記事5 食と農園のネットワーク

自給自足に向けて

食べることは、生命維持の基本です。世界はグローバル化の流れにそって、食べものが資本の手によって集中管理され、世界均一化に向かう時代となっています。スローフード運動にも見られるように、食料の地域生産、自給自足をめざすことが、なにかと話題になっています。
「地産地消」という熟語が流布されていますが、これはローカルな地域内で生産し、消費するということです。

むくむく通信社が態度表明するとすれば、この「もうひとつの食ネットワーク」を進めていくための情報を集め・発信していきたいと思うところです。

編集後記
季刊むくむく通信第10号の発行です。当初2006年7月1日発行の予定が、若干遅れてしまいました。その原因は、編集発行人中川の興味領域が拡大し、新しい領域へ移行しはじめたためです。むくむく通信社では、政治経済社会と直接関連することのヘッジを記事の対象としています。この観点からいうと、今は啓蒙の時期であり、その概略・表皮を紹介することを、編集目的にしています。編集発行人が、より個人の内面へと向ける視点を確保したいと目論んで、具体的に作業を開始しているからです。とはいえ、季刊むくむく通信の発行を止めるつもりは毛頭ありません。現在、なにしろ個人プレーだから、できれば共同制作にしたいと考えています。ああ、無理かな~!
2006.7.17 中川繁夫